統合失調症による認知障害を発症した母の奇怪行動の話。認知症と違うのは「ご飯を食べたことを忘れる」という認知症、「ご飯を何食べたか忘れる」と認知症状の違いと言うだけで、話したことも忘れるし物をしまったことも忘れるし、喜怒哀楽も激しいので個人的には同じような症状だと感じています。今回は、思いがけない方法で”ある物”をしまい込んだ奇怪行動のお話です。
掃除すればいいじゃん!は通じない。
父が亡くなってから、仏壇にはお位牌とかお花とかがあり上部には遺影が飾ってある。
この時はまだお墓が無かったので、仏壇の下部に遺骨を納めていた(現在はお墓ですこやかに永眠中)
母が仏壇にお水をお供えして、お花のお水も取り換えるというのが毎日のルーティンだった。
でも、突然遺影を片付け始めた。
割れないようにタオル?でくるんで押し入れの中にしまい込む。
なんで?
兄が聞いてみると「埃が被るから」だって。
いや、掃除しろよ。
どうやら本人には掃除するという概念が抜けてしまったらしい・・・
掃除が好きで常に床拭きをしていた母が変わった瞬間だ。
まあ、あまり刺激しない方がいいだろうと言うことで、それはそれで無かったことにした。
でも、結局遺影を移動し過ぎてガラスが割れてしまったらしいけど、兄が買い替えて再び仏壇の上に飾られる。
時期が来たのよ
遺影は元に戻ったから一件落着!ではない。
次に母がターゲットにしたのは”位牌”だ。
ゴソゴソと何かやってるからと兄が覗いてみると、なぜか父の位牌をラップに包み始めたと。
何やってんだ?と兄が聞く。
母は「いいのいいの。こうしないと埃まみれになっちゃう」
さすがに位牌にラップを巻くのはおかしいだろ。
でもヘタに手を出すと面倒なことになると考えた兄は、母の好きなようにさせておいたらしい。
父が可哀想だ
その件で兄から電話が掛かってきたので、私は母に聞いてみることにした。
「なんでお位牌をラップなんかでくるんじゃったの?」
母が言う。
「ふふっ、時期が来たのよ」
何の時期だよ!?
ツッコミたくなる。
冷静に「何の時期?パパが可哀想だよ」と聞いてみた。
母は「いいのいいの。大丈夫なの!時期が来たんだから♪」
なぜか楽しそうに答える。
その話を娘に話したら当然のごとく私と同じ反応が返って来る。
「何の時期!?」
いや、わからんが”何か”の時期らしい。
そして謎の時期については未だにわからない・・・。
そして次に、お盆だったか正月だったか忘れたけど私たち家族が行った時、ラップをこっそり剥がしてやった。
ある時、こんな記事を目にした。
女王様キャラの芸風として知られる、にしおかすみこさんの連載「ポンコツ一家」
芸人と言うこともあって、面白おかしく書かれているように見えるけど現実は予想もつかないほど大変な現状であることは分かる。
酔っ払いの父、ダウン症の姉、認知症の母の面倒をひとりで抱えているのだから。
本当のことを言うと、私自身この記事に救われている部分がある。
共感できる部分もあったり、こんな時どうやって対処しているんだろうという方法も見つけることが出来る。
にしおかさんのお母さんの性格も、どことなく母に似ているし。
彼女もまた手探り状態でやってると言うけど、それは自宅介護している人はきっとみな同じだと思う。
介護する側にも感情はあるのだから、やったらダメと言われてることがあっても感情を抑えきれずに怒鳴ってしまうこともある。
前に熱帯魚のエサを窓から全部捨てられた時は怒ってしまった(だって高いやつだったんだもん(涙))
捨てた本人がキョトンとした顔してたのが余計に腹が立ったけど。
夫は「あらら~」って笑ってたが・・・
夫は器が大きいので些細なことでは動じないのだ
そんな夫を見て、怒鳴ってしまった自分が恥ずかしくなる。
だって、買えば済むことだもんね。
もっとポジティブに考えると、自分自身も気が楽になるんだと勉強した(笑)